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樹脂を被覆した高圧ホースの構造設計

高圧ホースは建設機械、工作機械、製鉄所での圧延機など幅広く様々な分野にて使用されており、流体を圧送することで油圧機械などの血管としての働きをしています。
しかしながら、昨今のコンパクト化、省スペース化の動きに伴い、その配管環境は厳しいものとなってきています。特にゴムホースの耐久性に対して問題となるのが、ホース外面の摩耗で、その対策として様々な方策がとられています。
その対策の一つとして、当社ではホースの外層に超高分子ポリエチレンを被覆した高圧ホースを開発し、耐摩耗性の向上と低摩擦性を実現しています。その特徴、性能などについて紹介します。

樹脂を被覆した高圧ホースの構造設計のイメージ1
樹脂を被覆した高圧ホースの構造設計のイメージ2

基本構造

一般的な油圧用高圧ホースとの基本的な構造の違いを下図で示します。
一般的な油圧用高圧ホースの構造は内面ゴム、補強層、外面ゴムから構成されています。一方で超高分子ポリエチレンを被覆した高圧ホースは外面ゴムの外側に超高分子ポリエチレンが被覆された構造となっています。

この最外層に被覆された超高分子ポリエチレンによって、すべり抵抗が低くなり、ホース外面の摩耗を大きく低減することが可能となります。製品情報はこちら

特徴

①一般油圧ホースと比べて耐摩耗性を大幅UP
  ホース外面層の耐摩耗性を一般油圧ホースよりも約37倍向上させています。

【評価方法】
ゴムホース評価試験方法の規格の一つとして用いられるISO6945(1991)を参考にした試験機(当社オリジナル試験機)を用い、ホース外面上に荷重(50N±0.5)を付加した治具(下写真参照)を押し当て、ホースをスライドさせることで、補強層が露出するまでの回数を確認。

②一般油圧ホースと比べ摩擦抵抗値を大きく低減
  従来の一般油圧ホース(Kシリーズ)と比較して、当社試験比で摩擦抵抗値を1/4程度まで低減しました。

【評価方法】
ゴムホース同士がこすれた場合のすべり性を引張り抵抗力として測定。
1本のホースの上に同じホース3本を直角に乗せ、下の1本のホースを引き抜き、そのすべり抵抗力を測定。

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