ゴム材料の種類クロロプレンゴム(CR)

クロロプレンゴムの歴史はとても古く、1930年にアメリカのDuPont(デュポン)社(現:Chemours(ケマーズ)社)のウォーレス・カローザス博士が発明した世界初の合成ゴムが「ポリクロロプレン」=CRです。1931年にDuPont社から「ネオプレン®」という商品名で上市したので、現在でも「ネオプレン®」の通称が広く知られています。分子構造は次の通りです。

  • 分子中に塩素があり、耐候性、耐オゾン性、耐油性、耐薬品性、難燃性を保有している。
  • ブチルゴム程ではないものの、耐ガス透過性能が天然ゴムや他の合成ゴムと比較して優れている。
  • 明色(カラー)配合では変色しやすいことと、分子が結晶化しやすい性質があり耐寒性が劣るという欠点がある。
  • カーボンブラックなどの補強材を配合しない純ゴム配合でも力学物性が優れており、しかも外的な要因に対してバランスの良い耐性を示すことから、多様な用途に使用されている。

写真は、代表的なCRの原料ゴムです。NRの原料ゴム<シート状>、SBRの原料ゴム<ペール(塊)状>などと違って、「芋飴」のような小片形状の原料ゴムが紙袋に梱包されています。

◆天然ゴムのような高い弾性を持ち、機械的強度や耐候性、耐油性、耐薬品性、耐熱性などにも優れているため、過酷な現場や負荷のかかる工業製品、ホースなどの自動車ゴム部品、工業用パッキンなど幅広く用いられます。

◆当社では、これらの特性を活かし、耐油ホース、CNRスーパー5<品番CPL-100など>、CRゴムシート<品番N-100、N-104など>、船舶ハッチ用パッキン、落橋防止用緩衝ゴム、防振マット、その他成形品など幅広く使用しています。

ウォーレス・カローザス(1886~1937年)は、アメリカのハーバード大学の教員でしたが、1928年にDuPont社にスカウトされ、1931年にポリクロロプレン(=CR)、1935年にはポリアミド(=66ナイロン)を発明し、その後の高分子合成化学の発展に大きく寄与しました。

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