エチレンプロピレンゴムは、1963年にイタリアとアメリカで企業化されたゴムで、エチレンとプロピレンの共重合体であるEPMと、さらに架橋用ジエンモノマーを加えた三元共重合体のEPDMが開発されました。
EPM,EPDMとも、ヘキサンなどの炭化水素溶剤中でバナジウム系チーグラー触媒により重合して作られています。EPDMのジエンモノマーはエチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン,1,4-ヘキサジエンが用いられています。
EPM・EPDMの性質
- 耐熱性、耐候性に優れている。特に耐オゾン性が非常に優れクロロプレンゴムやブチルゴムよりも良い。
- 比重が合成ゴムの中で最も小さい。
- 加硫物の肌が良くて高物性のために発泡製品に適している。
- 耐薬品性、電気特性が良い。
- EPDMは硫黄加硫ができる。
- EPMはパーオキサイドにより加硫できるが、硫黄加硫はできない。
EPM・EPDMを使ったゴム製品
EPM,EPDMの需要はラジエターホース、ウインドシール、ドアシールなどの自動車部品関連への使用が最も大きく、その他土木建築資材関連への使用も多くあります。
ちょっとひとこと・・・
EPDMは自動車用途向けを中心にソリッドゴム用、スポンジゴム用として世界的な需要拡大している中で、近年恒常的に材料不足気味となっています。何らかの原因で一部のメーカーのプラントが供給停止するようなことが有れば世界中への影響が出てしまうという状況です。