ゴム材料の種類天然ゴム(NR)

天然ゴムの樹木(ヘベア・ブラジリエンシス)
天然ゴムの樹液採取(タッピング)

一般に天然ゴム(Natural Rubber、NR)とは、パラゴムノキといわれているヘベア・ブラジリエンシス(Hevea brasiliensis)種のゴムの樹の樹液(天然ゴムラテックス)を採取し、凝固、乾燥したものをいいます。
天然ゴムは東南アジアの中で赤道を挟んだ高温多湿なタイ、インドネシア、ベトナムの3カ国が世界の総生産量の約70%を占めていて、そのうち約70%をタイで生産しています。

天然ゴムの構造は図1に示したシス-1,4-ポリイソプレンと呼ばれているもので、これは合成ゴムのイソプレンゴム(IR)と同じですが、天然ゴムにはたんぱく質などの非ゴム分が約10%程度含まれており、NRが生合成でシス-1,4-ポリイソプレン構造がほぼ100%であるのに対して、IRは化学合成で2~8%の構造異性体を含んでいるため、NRとIRが全く同じ性質を示すわけではありません。

◆天然ゴムの品種の区分けには、外観的格付け(=色調、形状など)によるものと、技術的格付け(=物性面、ムーニー粘度など)によるものがあります。代表的なものにはRSS1(1号天然ゴム)やRSS3(3号天然ゴム)など(RSS:Ribbed Smoked Sheet=薫煙されたシート)があります。これらはシート状のゴムで色調の違いによって格付けされます。またSMRCV(60)などはブロック状のゴムで物性などの違いによって格付けされます。

(SMR:Standerd Maraysian Rubber=標準マレーシアゴム)
Cf. SIR:Standerd Indonesian Rubber=標準インドネシアゴム、STR:Standerd Thai Rubber=標準タイゴム

  • 生ゴムの強度(グリーン強度)が高い。また、加硫ゴムの強度も高い。
  • 加硫ゴムの各種の特性のバランスがとれている。
  • 合成ゴムに比べて分子量が高く、そのまま加工しにくいので、素練りによる低分子化(=軟化)工程が必要。
  • 非ゴム分の含有量が高く、品質が天候や産地に左右されるので不均一。
  • 生産量が天候に左右される。また価格変動が大きい。

◆生産量の半分以上が自動車用タイヤに消費されており、他にも輪ゴム、手袋や長靴、スニーカーの靴底など身近な製品をはじめ、工業用製品にも使われています。

◆当社でも、ホース、シートなどの多くの製品に使用しています。

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