遮蔽材料としては、鉛やタングステンを使用することが有効で、特に鉛板は非常に効果的ではありますが、重量があり設置を簡易にできないことや、曲面への配慮や板の継ぎ目処理など設置面で色々な配慮が必要になります。また、有害性や地球環境への影響も懸念されています。そこで当社ではバリウムに注目し、従来の常識では考えられないような量の硫酸バリウムをゴムの中に配合し、かつゴム本来の持つ柔軟性を保持することに成功しました。
放射線の基礎知識については こちら をご覧下さい。
特長
●硫酸バリウム高充填配合でありながら、十分なゴム弾性を有している為、巻き取りやカット加工が容易です。また、折り曲げてもシートが割れることがありません。
●素材が鉛フリー、ハロゲンフリーの為、環境にやさしい製品設計。
●RoHS指令対象物質は使用していません。
●厚みについては、1mm~100mm迄の幅広い範囲が対応可能。
●(公財)日本防災協会認定品。(認定番号・・・3t:E2160145、5t:E2160146、10t:E2160147)
用途
●鉛に代わるX線、ガンマ線遮蔽材用途
●原子力関連設備
●被災地・復興作業の作業現場の放射線遮蔽材
●放射性廃棄物・除染処理関連
●放射線医療関連機器の遮蔽用途
製造可能サイズ
厚み:1mm~100mm
幅 :1,000mm
長さ:1mm~5mm(10m迄)
6mm~10mm(5m迄)
10mm超~100mm(2m迄)
ゴム物性値
試 験 項 目 | 測 定 値 | |
常 態 | 硬 さ (タイプAデュロメータ) | 66 |
引張強さ (MPa) | 4.7 | |
切断時伸び (%) | 350 | |
比 重 ( - ) | 2.16 | |
老化試験 (100℃ × 72時間) | 硬さ変化 | +9 |
引張強さ変化率 (%) | -8 | |
切断時伸び変化率 (%) | -12 | |
圧縮永久ひずみ試験 (100℃ × 24時間) | 圧縮永久ひずみ (%) 25%圧縮 | 55 |
オゾン劣化試験 | 500ppb (50pphm)× 40℃× 20%引張ひずみ×3000時間 | 亀裂等異常なし |
遮蔽試験及び鉛当量試験(X線、ガンマ線)
◇X線
X線試験方法:JIS Z 4501(X線防護用品類の鉛当量試験方法)に準ずる。
試 験 項 目 | 測 定 値 | 鉛当量(mmPb) | ||
遮蔽率試験 および 鉛当量試験 (100kV 狭いビーム) | ゴム厚み3mm | 透過線量率 (mGy/min) | 0.532±0.001 | 0.35±0.02 |
遮蔽率 (%) | 87.86 | |||
ゴム厚み5mm | 透過線量率 (mGy/min) | 0.194±0.001 | 0.61±0.02 | |
遮蔽率 (%) | 95.57 | |||
ゴム厚み10mm | 透過線量率 (mGy/min) | 0.036±0.001 | 1.19±0.03 | |
遮蔽率 (%) | 99.18 | |||
ブランク | 透過線量率 (mGy/min) | 4.382±0.010 | - |
※透過線量率・鉛当量:(地独)東京都立産業技術研究センター試験結果による。(2023 依技計 第403号 2023年8月4日)
※X線遮蔽率:下記計算式に基づき算出。
=〔1-各ゴム厚み(3mm、5mm、10mm)透過線量率 〕× 100
ブランク透過線量率
※管電圧(kV)はX線強度と相関があり、管電圧が変わるとX線遮蔽率や鉛当量が変わる場合があります。
◇ガンマ線
試 験 項 目 | 測 定 値 | 鉛当量(mmPb) | ||
遮蔽率試験 および鉛当量試験 (セシウム137線源) | ゴム厚み3mm | 線量率 (µSv/h) | 11.1±0.2 | 0.3 |
遮蔽率 (%) | 2.6 | |||
ゴム厚み5mm | 線量率 (µSv/h) | 10.9±0.2 | 0.5 | |
遮蔽率 (%) | 4.4 | |||
ゴム厚み10mm | 線量率 (µSv/h) | 10.4±0.2 | 1.1 | |
遮蔽率 (%) | 8.8 |
※透過線量率・鉛当量:(地独)東京都立産業技術研究センター試験結果による。(2023 依技計 第410号 2023年8月7日)
※ガンマ線遮蔽率:下記計算式に基づき算出。
=〔1-試料のある時の線量率 – バックグラウンドの線量率 〕× 100
試料のない時の線量率 – バックグラウンドの線量率
但し、バックグラウンドの線量率は0.04±0.01µSv/h、試料のない時の線量率は、11.4±0.2µSv/hであった。
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